介護や福祉の仕事をしていると、「何かをしてあげること」が支援だと思われがちです。
食事を手伝う。
移動を手伝う。
着替えを手伝う。
身の回りのことを整える。
もちろん、必要な支援を行うことは大切です。
でも、在宅生活を支える中で、もう一つ大切にしたいことがあります。
それは、
「あえて手を出さないこと」です。
できることまで、やってしまわない
たとえば、ご本人が自分でできる動作があったとします。
時間がかかるから。
少し大変そうだから。
こちらがやったほうが早いから。
そんな理由で、つい先回りしてしまうことがあります。
「やっておきますね」と手を出せば、その場ではスムーズです。
でも、その人が自分でできることまで誰かがやってしまうと、
「自分でやる」という機会そのものがなくなってしまいます。
介護では、“できることを増やす”だけではなく、“今できていることを守る”ことも大切な支援だと思います。
「待つ」という支援
支援する側にとって、意外と難しいのが「待つこと」です。
ご本人がゆっくり動いていると、
「大丈夫かな?」
「手伝ったほうがいいかな?」
と思います。
でも、そこで少し待ってみる。
本人が自分で手を伸ばす。
自分で動かす。
自分のタイミングで次の動作に移る。
その時間を大切にすることも、立派な支援です。
効率だけを考えれば、こちらが手を出したほうが早いかもしれません。
でも、在宅生活は「早く終わらせること」が目的ではありません。
その人が、その人のペースで生活できること。
そこにも大きな意味があります。
「何もしない」と「見守る」は違う
もちろん、何もしないことが正解というわけではありません。
大切なのは、
「必要なときには、すぐに手を出せる状態で見守る」
ことです。
危険がないか。
体調に変化がないか。
本人が困っていないか。
助けを求めていないか。
そうしたことを確認しながら、必要以上に介入しない。
これは簡単そうに見えて、実はとても難しいことです。
支援者には、「何かしてあげたい」という気持ちがあります。
だからこそ、
「今は手を出すべきか、それとも待つべきか」
を考えることが大切になります。
ヘルパーに必要なのは「する力」だけじゃない
介護の仕事というと、
「何ができるか」
が注目されることが多いと思います。
でも、現場ではそれだけではありません。
「何をしないほうがいいのか」
を考えることも重要です。
本人ができることは本人に任せる。
本人が選べることは本人に選んでもらう。
本人の生活リズムを尊重する。
必要なときには、きちんと手を差し伸べる。
そんな一つひとつの積み重ねが、その人らしい生活につながっていきます。
介護のゴールは「何でもしてあげること」ではない
介護や障害福祉の支援は、生活を楽にするためだけのものではありません。
その人が、
「今日は自分でできた」
「自分で決められた」
「いつものように過ごせた」
と思えることも、とても大切です。
だからこそ、支援する側が全部を抱える必要はありません。
できることは一緒に見つける。
できることは見守る。
難しいことには手を貸す。
そして、その人が自分らしく過ごせるように支える。
「何もしないことも、支援になる。」
この言葉には、在宅生活を支えるうえで大切な意味があるのではないでしょうか。
ワオライフサポートでは、必要な支援を行うだけではなく、ご本人の「自分らしく暮らしたい」という気持ちを大切にした支援を考えています。
今日も、その人にとっての「いつもの生活」を大切に。

